小悪魔れんあい



あの後、あたしと暁羅はゆっくり帰る支度をして玄関へと向かっていた。



「麗奈ー」

「ん?」

「なんか俺も叫心にフラれた気がしてきた」

「ぷっ…、何それ」

「いや、なんかさ…俺もすげーショック受けた」

「…」


きっと暁羅のこの言葉は、さりげない慰めの言葉。

本当に側にいてくれてよかったと、改めて実感した。



そのまま玄関に着くと、そこには信じられない人物があたしを待ち受けていた。




「やほっ、麗奈ちゃーん!」

「れ、玲さん!?」

「は?」


今日一番のドッキリかもしれない。
だって玲さんが、こんなところにいるなんて。実物を見た今でさえも信じられてないもん。



「玲さん、どうして学校に…!?」

「麗奈ちゃんとお話したくて!」

「え!?」


また突然なお申し出で…。
隣にいる暁羅はもう何がなんだかわからないようで、あたふたしている。


「そこの君!」

「は、はい!」

指をさして、暁羅を指名する玲さん。


「麗奈ぴょんを借りていく!」

「あ、はい!」


麗奈ぴょんて、また変なあだ名作ったな…玲さん。あたしは心の中ですこし笑った。



「じゃ、行こう!麗奈ちゃん」

「え、あっ…!!」

暁羅のバイバイも言えないほどに、超スピードで玲さんは学校から飛び出した。



< 217 / 231 >

この作品をシェア

pagetop