小悪魔れんあい
あの後、あたしと暁羅はゆっくり帰る支度をして玄関へと向かっていた。
「麗奈ー」
「ん?」
「なんか俺も叫心にフラれた気がしてきた」
「ぷっ…、何それ」
「いや、なんかさ…俺もすげーショック受けた」
「…」
きっと暁羅のこの言葉は、さりげない慰めの言葉。
本当に側にいてくれてよかったと、改めて実感した。
そのまま玄関に着くと、そこには信じられない人物があたしを待ち受けていた。
「やほっ、麗奈ちゃーん!」
「れ、玲さん!?」
「は?」
今日一番のドッキリかもしれない。
だって玲さんが、こんなところにいるなんて。実物を見た今でさえも信じられてないもん。
「玲さん、どうして学校に…!?」
「麗奈ちゃんとお話したくて!」
「え!?」
また突然なお申し出で…。
隣にいる暁羅はもう何がなんだかわからないようで、あたふたしている。
「そこの君!」
「は、はい!」
指をさして、暁羅を指名する玲さん。
「麗奈ぴょんを借りていく!」
「あ、はい!」
麗奈ぴょんて、また変なあだ名作ったな…玲さん。あたしは心の中ですこし笑った。
「じゃ、行こう!麗奈ちゃん」
「え、あっ…!!」
暁羅のバイバイも言えないほどに、超スピードで玲さんは学校から飛び出した。