小悪魔れんあい



「ぷっ…」

と、急にクスクス笑い始めた長塚。


「え!?」

と、おどおどしてしまう俺。
一体、何で笑われたのだろうか?もしかして、高橋のこと考えてたのが、ばれたとか!?

そうだったら、かなり恥ずかしい。


「あ、ごめんね。笹岡君…なんか表情が意外に豊かだから…びっくりしちゃって…」

と、まだクスクス笑いながら話す長塚。


「表情豊か…?」

「あ、うん。なんかいつも笹岡君と喋っててもあまり感情とか出してくれなかったから…あたし嫌われてるのかなとか思ってたんだ」


「マジで?俺…そんな冷たい顔してる?」

「うーん、冷たいというか…無関心?って感じかな」

「そっか…。気をつけるわ、ごめん」

「あ、謝らないでよ!」

手を横に振りながら、長塚は焦って俺にそう言う。

だけど、よく怒ってるの?とはいろんな人に聞かれる。

ということは。
俺の顔はしょっちゅう怒ってるというわけだ。

特に雄大になんか、何でそんなムスっとしてんだ!って一日に何回も怒られたりする。



まぁ、そのほとんどが雄大のせいであったりもするんだけど。
それは敢えて言わないでおきます。



「それに…」


と、長塚は付け加えた。


「こうして、笹岡君と話せるのって…嬉しいな」




え?

え?

え?


これってどう答えるべきなの?
どーなの、俺…こんなこと言われるのっていつも高橋に冗談っぽくしか言われないから…

わっかんねー!!!


俺はとりあえず長塚とのその場を、ものっすっごい愛想笑いで切り抜けることにした。



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