小悪魔れんあい



「きょ~しんっ、おっはよ~!」

「うおっ!?…びっくりした~…!」

「へへへ~!今日も大好き~!」

「…お前毎朝毎朝、飛び付くのやめろよな~。あせるから」

「やだよ!!これは、あたしの習慣なんだもんっ」

叫心は、"はいはい"といいながら、あたしを自分から引き離した。


「ねぇ!叫心、長塚さんと何してたの?」

「あ?別に話してただけだろ~が」

「ダメー!すっごく気になる!教えて?」

「はあ!?別に関係ねえって!」

「やだやだ!教えてくんなきゃ離れないっ!」


人前という事も忘れ、あたしは叫心にしがみついた。


すると、叫心は諦めたようにため息をついた。



「今日部活休みになったって教えてもらっただけ!」

そして、頭をかきながらそう言った。


「え?…それだけ?」

「だから言ったろ?関係ねえって」



な、何だっ!
それだけの事かぁ~っ!
遊ぶ約束でもしてるのかとか、いろいろ考えちゃったじゃんかっ!



ん?!

ちょっと待って?



今叫心、"部活休みになった"って言ったよね…!?




これは、神様!


あたしに叫心をデートに誘え!…とそう言ってるんだよね!?



あたしはジリッと叫心に近寄った。
叫心もあたしの思考が理解出来たのか、愛想笑いを浮かべて、後ずさる。




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