小悪魔れんあい
「きょ~しんっ!きょ~しんっ!」
「おわっ?!またお前かよっ!」
教室から叫心が出てきたのを狙って、あたしは抱きつき攻撃!
「寂しかったよぉ~」
そして、必殺超ぶりっ子アタック!
すがり付くあたしに、叫心は離れながら、一言。
「キモいって」
クールな表情にクールな一言!
うーん…、やっぱ最高だっ!
…ってそうじゃなくて!
「叫心ひどい!!せっかく待ってたのに!」
「俺は頼んでねぇ!」
叫心とあたしはこんなやりとりが日常茶飯事。
でもまぁ…、大体あたしが叫心に必要以上に付きまとってるから…あたしが直接の原因なのかもしれないけど。
ま、そんなの関係ないってことで!
全く…叫心も素直になったらいいのに…
ツンデレ叫心もまた萌えるけどさ!やっぱ、素直な気持ちで接してほしいよ!
…、いや付き合ってないんですけどね。
「あ、そーだ!叫心っ…「無理」」
ちょっとちょっと!?
あたし最後まで言ってないんですけどっ!
あたしが膨れていると、叫心はため息をついて
「一緒に帰ろ?だろ?」
と言った。
「あったり~!やっぱり心が通じ合ってるんだっ」
きゃ~!通じ合ってるってことは、やっぱ叫心とあたしは結ばれるべき運命にあるんだよ!
「ちげえよ!バカ!毎日聞いてたら覚えたんだよ!」
とあっさり叫心はそう言うと、あたしのあたまを少し強い力で叩く。
だけど、そんな姿さえ叫心ならカッコイイ…そう思ってしまう。
「わかってるんなら、いいやっ!帰ろ?」
「は?!無理だっつ~の!俺、今から部活だし」
「なぁんだ!じゃ待っ…「絶対待つな!」」
うう…。涙がホロリ。
叫心酷いよお…。未来のお嫁さんに…。
「じゃ部活行くから」
そう言って、叫心は颯爽とあたしの前から立ち去った。