小悪魔れんあい



「はぁ。なぁんで照れるかな~…」


いつもあたしの愛はたくさんあげてるつもりなのに。
叫心ってば…、照れてばっかり!

と勝手な解釈をし、トボトボ自分の教室に戻ると


「あんたも、毎日毎日懲りないね~」

目の前に、親友の松本愛がため息をつきながら、現れた。



「あいさ~ん!叫心ってばまた…」

「あ~はいはい。もう毎日毎日聞きあきたから。」


愛は、耳を塞いで"あー!"と叫ぶ。
ムキー!話を聞いてくれない親友なんて、親友じゃなーいっ!


「むうぅ!愛まで酷いっ!」

「あんたのしつこさよりはマシだと思うわよ?」

「しつこくないもんっ!」

「たかが、ナンパされてるとこから助けてもらっただけで運命運命うるさいし…」

「"たかが"なんて言わないで!!運命だよ、絶対!」


そうなんだ。
あたしと叫心の出会いは、ナンパから助けてもらった時。
その事件が起こるまでは、ただ学校が一緒なだけで、全然知らない人だったの。クラスだって、すごく離れてるし…絶対関わることはないだろうなって思ってた。


だけどね!
あたし叫心に助けてもらった時、確実に胸が動いたんだもん。その日の夜だって、1日中ドキドキして眠れなかったし…!


何より叫心の

"やめろよ"

そう言った言葉が頭から離れないんだもんっ!!!




「あ~、もうっ!妄想の世界に入らなくていいから。ど~せ今日も"見る"んでしょ?」

「え?愛、今日も付き合ってくれんの…?!」

「しょうがなくよ…。じゃ、早く行こ!」

「やったあ~!愛ありがと!大好き~っ!」


何だかんだ言ったって、愛はあたしに付き合ってくれるんだっ!
やっぱり愛は最高だよー!




あたし達は、放課後お決まりの場所でもある、"ある場所" へと向かって行った。


< 4 / 231 >

この作品をシェア

pagetop