小悪魔れんあい
第5話 麗奈side
「最悪……」
翌日
昨日の叫心とのデートで気分はすっかり上々だった。
しかし、それも束の間。
下駄箱を開けてみると、中にあったあたしの上履きは見るも無惨な姿をしていた。
所々カッターか何かで破られていて、かかとなんかあたしがしたわけじゃないのに、履き潰されていた。
「…これじゃ履けないや…」
あたしは鞄から財布を取り出して、今日持ってきている金額を調べた。
すると幸運な事に、お金は上履きを買うのに十分買えるくらい、持ち合わせがあった。
これでとりあえず靴を買いに行こう…
あたしは来客用スリッパを履いて
購買へ向かった。
『いらっしゃい!何にする?』
「上履き下さい」
『はいよ!何センチ?』
「23.5で」
『はいよ~。1500円になります』
購買のおばちゃんにお金を渡して、上履きを受け取った。
「あれっ?上履き買ってんの?」
「あ、愛!!」
急に後ろから愛が話しかけてきた。
「うん。履き潰しちゃってさ」
愛には黙っておこう…
心配させたら…
悪いもんね。
あたしは、まだ確証がないし、気のせいだと自分に言い聞かせ
愛には黙っている事にした。