小悪魔れんあい



でも、その時のあたしの中での叫心のイメージって…超クールで…どちらかと言えば、女の子には滅多に話しかけない、無愛想な男の子。


そんな印象だった。
だから特に、あたしみたいな話しかけたことも無い違うクラスの女なんか助けると思ってなかった。


相手は大勢だったっていうのに、叫心は少しも怯えた様子を見せずに、相手が殴りかかってきても軽くかわしてやり返してた。


もう、その瞬間かな。
叫心があたしの王子様に変わったのは。


大勢のナンパしてきた奴らを追い払ってくれた叫心に、あたしはもう嬉しくてしょうがなくて飛びつきながらお礼を言ったの。

そしたら、意外なことに叫心ってば結構照れ屋だっていうのが分かったんだ。


「別に、困った人助けるのは当たり前だし…」


なんて言いながらも、しっかりちゃっかり頬を紅く染めながら照れてるんだ!


もう、だめ。
叫心のあんな姿見て、ハートを奪われない人がいるなら、あたしはその人を見てみたい。

もう、一瞬で心奪われたんだ。




その日から、あたしが叫心を追っかける毎日は始まったの。
叫心があたしに冷たい態度をとったとしてもそれは変わらない。だって叫心は、ほんとは優しいって知ってるから。


< 6 / 231 >

この作品をシェア

pagetop