小悪魔れんあい
いつものことながら、サッカーをする叫心は最強にかっこいい!
今は静かにおとなしく叫心を見ているだけだけど、心の中じゃもう大騒動!
ありふれた言葉じゃもう伝えきれないほど、かっこいいの。
いつか、「麗奈のためにシュート決めてやるぜ!」とかいわれるのをひそかに待ってたり…して。
って、そんなの夢に決まってるんだけどね。
でも最近やっぱり、見てるだけじゃ物足りないって思うし、それよりも誰かにとられちゃうんじゃないかなってすごく思う。
だって、あんなにかっこいいんだもん。
女の子が狙わないはずがない!!
何で叫心のこと、もっと前から好きじゃなかったんだろ。
あー、もう!
叫心のこと考え出したら抱きつきたくなっちゃった!
そんなことを考えてると、叫心がまたシュートを決めた。
「かっこいい……!!」
もうきっとあたしの目はキラキラ光ってると思う。
間近にアイドルがいるって感じ。もうほんと、叫心にやられまくってるな…あたし。
「叫心…、好きだ…」
叫心を目で追いながら、一人呟いているととなりで寝ていたはずの愛がププっとふき出した。
「…麗奈、キモイ…」
「…盗み聞きしといて笑わないでよー!」
うー、最悪!
愛は寝てると思い込んでたから、完璧一人の世界に入ってたよ…!
あたしは真っ赤になった顔を手で押さえながら、愛を睨んだ。