小悪魔れんあい
第8話 麗奈side
長塚さんとの一件も落着して。
あたしと叫心には再びあの穏やかな日々が戻ってきた。
「えーっと…叫心の家は確か…」
この辺りだったと思うんだけどな~、間違えてたりして…!?
ってそんな事は絶対ないない!
頭の良い麗奈ちゃんは、事前に調べ済みっ!
って…そりゃ調べたのは付き合う前だったから、ストーカーみたいだけど、好きだったからしょうがないよ。
好きな人の全部を知りたいもん。
それってみんなが思う、当たり前のことでしょ?
あたし、叫心知識はすごいよ?
きっと叫心のママとパパにも負けないね!
ホクロの数とかぁ~…
クセとかぁ~…
叫心の趣味とかタイプとか!っていうか、あたし!みたいな?
…おっとっと!
調子乗りすぎちゃった!
とにかく!極秘の情報であれ、何でも知ってるんだよね!
でも、これからは彼女としてまた叫心知識が増えるんだ!
きゃー、嬉しいっ!!
そんな事を想像し、照れながら歩いていると
「叫心待てよー」
「いいから早く来いよ。遅刻すんだろ?!」
叫心と小林君の話す声が聞こえてきた。
「叫心だぁっ!」
あたしは嬉しくなって、声のする方に近付いた。
見えてきたのは叫心と小林君の後ろ姿。
その中でも一段と光ってる叫心の後ろ姿。
あたしはダッシュで叫心に近付いて
「きょーしんっ!おっはよー!!」
思いっきり叫心に抱き着いた。