僕らの

2番目に鮮やかな記憶

僕の中では、今現在、2つの鮮やかな記憶がある。
それは、喧嘩ばかりの日々を過ごして心も体も傷だらけの僕と、氷ほどに発言ともに行動などが冷たい教師が出会った1年前の日のこと。



高校に入って初めての夏。
「に入ってから2週目…」
僕は暑さにやられて校内の中庭で1番大きな木の木陰に座り込んでいた。
蝉はまだ鳴いていない。
が、生まれてから15年、夏がくる度に聴いてきたその声は、じりじりと太陽が地を焼く音と共に、僕の耳に幻聴として届く。教室では、冷房完備が備わっていて、快適極まりないが、環境のことをいうと、クラスメイトたちに問題があるせいで、冷風とは縁遠いこの地にいるのだが、
「なぁ、遊ぼ〜よぃ!」
ここでも、ちょっとした問題が僕に暑さと汗と一緒にまとわりついている。
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