恋人ごっこ 〜幼なじみと Love☆battle〜

決まり事




−葵の部屋−


その後、わけがわからない私を、陽が家へと送り届けた。




コンコンッ

窓が叩かれた。
(ノックされた)

こんな事ができるのは、1人しかいない。



とりあえず窓を開けてやった。


入ってきたのは陽。



なんで窓から入るの!?

って思ったでしょ?


私と陽の家は隣で、私と陽の部屋も隣。

で、何の間違いだかしらないが、窓まで隣り合わせにあるものだから、私達の交通手段は、窓。




ってわけなのです。


ハル)「葵ー?

・・・怒ってる・・・よな?」


一言も話さない私の機嫌を伺って、情けない声を出す陽。

いつもは絶対下手にはでない陽が可笑しくて笑っちゃいそうになったのはヒミツ。



アオイ)「怒ってる。」

ハル)「・・・ごめん。」

アオイ)「怒ってるかですって?当たり前じゃん。だいたい陽は、いつも私に何も言わないんだから。」

ハル)「・・・・・・。」

アオイ)「わかってる?すっごく困るのに。」

ハル)「・・・ごめん。
だからさ、このことはゲームだとでも思ってくれていいから。」



アオイ)「ゲーム!?ゲームって言った?

冗談じゃないわ!
巻き込まれたのは私なの!!

やるからには、ちゃんと契約条件を決めなきゃ!」

ハル)「え?」

アオイ)「許してあげるから。

だってしょうがないじゃない!
皆の前で言っちゃったんだから。」

ハル)「葵・・・ごめん、ありがとう。」

アオイ)「うるさい。
それに、私のためでもあるのっ。

皆の前で言っちゃったのに、突然別れたとかになったら恥ずかしいもの。」



陽が珍しく素直だから、私は素直じゃなくなって、つい可愛くない事を言う。



つまり、照れ隠し。



ハル)「嘘。・・・だろ?」










アオイ)「あと・・・・・・ちょっとだけ、陽のため。」




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