探偵ユウ.1~旅館はるもと殺人事件~
「……自殺か他殺か…」
あたしは部屋を見渡しながら呟く。
どっち?
「そーいやさ」
「ん?」
「若女将から少しアーモンド臭がしたし、爪も唇の色もピンク色だった」
悠があたしの呟きに答えるように淡々と説明した。
「アーモンド臭か……」
死んだのに紫色じゃなくピンク色。
……争った形跡は見られない。
そして床に落ちてるカップ。
しかも血は見た限りない。
……つまり。