探偵ユウ.1~旅館はるもと殺人事件~
「どうやら気絶してるだけらしい」
よかった……。
「じゃぁ部屋へ運ぶ。どこか分かるか?」
「えっと……」
どこだろう。
会話の中でそんなこと言ってなかった。
「216号室です」
後ろから悠の声が聞こえた。
「悠!いつから……」
「さっき」
そう言いながら加島さんをゆっくり起こす。
「案内するんで運ぶの手伝ってください」
「当然だ」
加島さんを中心にして肩を組んで、足を引きずるような形で運んでいく。