探偵ユウ.1~旅館はるもと殺人事件~
「……別に、殺す直前じゃなくてもいいんです」
「どういうことだ?」
平山警部が首を傾げる。
「美衣奈さんは部屋に入ったら必ずコーヒーを飲む。姉ならそのことを知っていますよね」
「きっとな」
平山警部は若奈さんを見た。
「なら、あらかじめインスタントコーヒーに毒を入れておけば鍵なんて必要ないんです」
コーヒー毒を入れ、あとは普通の生活をする。
それで自然とアリバイは成立することになる。