シュガースパイス
そうか。
結菜には“課長”という旦那がいたんだった。
結菜は俺の顔色を伺いながら話し掛けてきた。
「あ…ごめんなさい。私ったら…」
結菜は気まずそうに俺を見た。
俺達は…
不倫関係にあるんだ。
「……結菜」
俺は結菜を抱き寄せた。
「どうしたの?」
「……課長にはバレないようにするから。結菜の幸せを奪うようなことはしねぇから」
「――…っ…!」
結菜を苦しませたくない。
傷付けなくない。
苦しむのは俺だけでいい。
傷付くのは
俺だけでいい。