シュガースパイス
【side翔】
「翔〜!今日、合コンあんだけどさー。もち行くよなっ?」
俺はキーボードを叩く手を休ませることなく、仕事を続ける。
「無理」
「あぁ〜!?おいおい、ちょっと待てよ!今日来る女の子達に翔来るって言っちまったぜ!?」
歩は眉を下げながら俺を見た。
「勝手なこと言ってる奴が悪いんだろ。とにかく俺は行かねぇよ」
俺はひたすらキーボードを打ちながら言った。
「ひでぇよ〜翔〜!お前それでも俺の親友かよっ!」
「知るか。さっさと仕事戻れ」
俺は歩を冷たく睨んだ。
「こわっ!翔ちゃん酷いっ!」
歩はわざと怯えたフリをしながらデスクに戻っていった。
……誰が合コンなんか行くかよ。
俺の頭の中には、結菜しかいないのに。
――ヴヴヴ…
スーツのポケットの中に入っているケータイが震え出した。
誰だ…?
俺は不思議に思いながらもケータイを開いた。