シュガースパイス
『明後日、会えないかしら?』
結菜からだった。
俺はドキッと心臓を鳴らした。
すぐ目の前には課長の姿。
言い知れぬ嫌悪感に包まれる。
『大丈夫だよ。じゃあ俺のマンションに来るか?』
俺は素早く返信をした。
そしてケータイを閉じる。
フゥ〜と一息つく。
「――新藤!ちょっと」
課長に名前を呼ばれ、ハッとして立ち上がり、課長のデスクに向かう。。
「何でしょう?」
「実はお前に良い話があるんだが…」
「良い話…ですか?」
課長は満足気に微笑んだ。
「人気TV番組“ひみつの嵐ちゃん!!”のメンバー全員のファッションをお前にデザインしてもらいたいんだ」
え?
俺が、芸能人の服を?