シュガースパイス
帰したくない…。
――翌日、夜。
今日は結菜との約束の日だ。
俺は結菜との待ち合わせ場所に向かっている。
けど確か今日は食事をするだけで、ベッドの中までは一緒にいられない。
俺は結菜の都合なんだから仕方ない、と気持ちを押し込めた。
「――結菜」
「翔」
待ち合わせ場所には既に結菜はいた。
「ごめん、待った?」
「いいえ。私もちょうど今来たとこよ。…それより、行きましょ?前に私が言ってた美味しい店。」
「あぁ、行こうか」
俺は結菜の腰に腕を回した。
こうして結菜といれる時が一番落ち着くな…。
癒されるっていうか…
「ねぇ翔…。最近疲れてるんじゃない?少し痩せた気がするわ」
結菜は心配そうに俺を見る。
優しいな、結菜は…。