シュガースパイス
「でも…お金の心配して翔と会えなくなっちゃうのは嫌なのよ。」
結菜は俺のシャツの袖をキュッと握った。
「俺は働いてるから良いんだよ。 ちょっとくらい大人気取りさせてよ」
俺はそう言うと、結菜を見つめた。
すると結菜は恥ずかしそうに顔を俯かせた。
「そんなこと言われたら…何も言い返せなくなっちゃうじゃない」
ふっ、可愛いな…結菜は。
結菜に悪戯な笑みを返すと、結菜の前を歩いた。
「こちらのお席になります。」
ウェイターが連れてきた場所は、広くて綺麗な個室。
確かに誰にも邪魔されなそうだ。
「ごゆっくり」
ウェイターは笑顔でそう言い、俺達の元を去った。