シュガースパイス

「しょ、翔…?」




結菜は俺の腕の中で小さく動く。そんな仕草でさえも、愛しい。




「…………………」




「……翔…?」




結菜は心配そうに俺を見た。
綺麗な瞳だ。
吸い込まれそう…。




「綺麗だな、結菜って。高校生の時とかモテたんじゃね?」




「えっ?」




「どうなの?」




俺は結菜の頭を撫でた。




「……全然よ。私自身、男の人が得意じゃなかったし…好きになれる人がいなかったから」




結菜は俺の胸に体を預けながら言った。




「そっか。なぁ…俺達が高校生の時に出会ってたら…また違う未来が見えてたのかな?」




「えっ?」




結菜は少し驚いたような声を出した。




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