シュガースパイス
俺はそう言うと、もう何も言わずに結菜の頭を撫で続けていた。
すると結菜はゆっくり俺から離れると、俺の胸に手を添えた。
「……翔…。私が高校生だろうと、大人だろうと…翔と出会えたことには変わりないわ…だから…そんなこと言わないで…?悲しくなるから…」
結菜はとても悲しそうな顔をした。
何言ってんだ、俺。
結菜を悲しませちゃあ…未来もクソもねぇよ。
「ごめん…ごめん結菜」
俺は胸に添えられた手を握った。
その手は少し震えていて…
「ううん…いいのよ。ただ…もう少し、こうさせて」
結菜はそう言うと、俺に抱き着いてきた。
俺はそんな結菜をためらうことなく、抱き締め返した。
愛しい。
彼女が愛しくて仕方がない。