シュガースパイス
しばらく抱き合っていると、結菜はゆっくり俺から離れた。
「ありがとう、翔。もう大丈夫よ」
そう言ってニコッと微笑んだ結菜。
俺はそんな笑顔が愛しくて仕方がない。
全部全部、奪ってしまいたい。
課長から結菜を…奪いたくなる。
「さ、注文しましょ!時間がなくなっちゃうわ」
結菜はメニューを俺に渡してきた。
「あぁ」
俺は手渡されたメニューを見る。
はっきり言って、料理なんてどうでもいい。
結菜と過ごせるなら…どんな空間でもかまわない。