シュガースパイス
彼はかなりのやり手で、この業界では名前を知らない者はいないと言われている。
そして、さっき歩が言っていたように結婚していて嫁さんがいる。子供はいないらしい。
ま、俺には関係のない話だけどな。
「課長っ!奥さん連れてくるんすよねっ?」
髪の毛がツンツン立った野郎が話し出す。
「あぁ、お前達に紹介するのは初めてだよな?」
「おーっ!見たいっす〜!!」
「めっちゃ美人だって聞きましたよ〜!」
「どんな人かな〜♪♪」
みんな、ワイワイ騒いでいる。
俺は1人、静かにしていた。
「翔!嬉しくねぇのかよ!美人だぜ?び・じ・ん!」
先輩デザイナーの大野先輩が俺の肩を叩いた。
「あー…はは。そうっすね」
俺は苦笑いを溢した。
正直、年上の女には興味がない。
色々と大人ぶってきてうぜぇし
しかも上司の女と来たからな。