シュガースパイス
しばらくして食事を終え、俺達は店を出た。
外に出ると、凄いどしゃぶりの雨だった。
俺が空を見上げていると、いきなり結菜が俺のジャケットのポケットに何かを押し込めてきた。
「……?」
俺は不思議に思い、ポケットに入っている何かを取り出す。
見てみると…1万円札だった。
「結菜……」
「それで帰ってね!食事代、払わせちゃったんだし」
結菜は申し訳なさそうに俺を見ると、背を向けて帰ろうとした。
俺は素早く強い力で、結菜の腕を掴み、俺の元へと引き戻す。
「っ…痛っ……」
結菜は顔をしかめた。
そして心配そうに俺を見上げる。