シュガースパイス
「……私ね…臆病者なの。1人になるのが怖いの…。だからって真琴を利用するのは…いけないことだけど…ごめんなさい。私、翔のことを愛してるのに…真琴と……」
「――結菜っ…!」
俺は結菜を強く抱きすくめた。
「もういい。もう、いいから…」
「翔……っ…」
結菜は俺の胸に顔を埋めて、泣き出した。
「結菜の気持ちは分かった。俺が悪かったよ…マジでごめん、結菜……」
結菜は小さく頭を振る。
“1人になるのが怖い”
それは、課長でなければ埋められない隙間なのか?
俺じゃダメなのか?
なぁ結菜、教えてくれよ…。
どうすればお前は俺だけのモノになってくれる?
どうすれば…
課長を捨てて、俺と一緒になってくれるんだ…?