シュガースパイス
俺はデスクから離れ、課長の所へ行く。
「……申し訳ありません。まだ未完成で…」
俺は俯き加減で言った。
そう、この間のデザイン画がまだ出来ないんだ。
いつもだったら土日で仕上がるくらいなのに。
結菜のことがあってから…
仕事さえも手がつかなくなっていた。
「そうかそうか…めずらしいな、お前がデザイン画の提出を遅らせるなんて。まぁ、日にち過ぎてるワケでもないから気にするな。お前のペースで頑張れよ」
課長はポン、と俺の肩を叩いた。
「はい……ありがとうございます」
俺は軽く頭を下げ、デスクに戻った。