Sorcery Game



俺は、怒りと戸惑いを隠すのに必死で何もできなかった。

目の前で二人の人間が消えたというのに…

「誠…利輝を押さえていてくれ。

リュウ・ハドイルって言ったな…

二人をどこにやった!!」

紘佑が詰め寄る。

「あぁ…

暴れたいみたいだったから先に狂島に送っただけだよ。


安心して、君達もすぐに送ってあげるから。」

リュウ・ハドイルは幼く危険な笑顔を浮かべ、俺達をみた。


「何でこんなに早く来たのよ!

約束が違うじゃない!!」

山本さんが顔を真っ青にしながら叫んだ。

普段から大人しい彼女がこんな大声を出すなんて…

「別に、時間通りにしてもいいけどさぁ…

先に送っちゃった二人、それまで生きてられるかなぁ…

言っておくけど、島にはまともな生き物はほとんどいない。

巨大蜘蛛や、刄の羽を持つ鳥みたいなモンスターばかりさ。

矢部水城君ならある程度大丈夫かもしれないけど…

木原俊君は大丈夫かなぁ?

もう気は済んだかい?」

リュウ・ハドイルは山本さんに最後の一言を言うと、舌をちょこっと出した。

< 34 / 77 >

この作品をシェア

pagetop