Sorcery Game
俺は、怒りと戸惑いを隠すのに必死で何もできなかった。
目の前で二人の人間が消えたというのに…
「誠…利輝を押さえていてくれ。
リュウ・ハドイルって言ったな…
二人をどこにやった!!」
紘佑が詰め寄る。
「あぁ…
暴れたいみたいだったから先に狂島に送っただけだよ。
安心して、君達もすぐに送ってあげるから。」
リュウ・ハドイルは幼く危険な笑顔を浮かべ、俺達をみた。
「何でこんなに早く来たのよ!
約束が違うじゃない!!」
山本さんが顔を真っ青にしながら叫んだ。
普段から大人しい彼女がこんな大声を出すなんて…
「別に、時間通りにしてもいいけどさぁ…
先に送っちゃった二人、それまで生きてられるかなぁ…
言っておくけど、島にはまともな生き物はほとんどいない。
巨大蜘蛛や、刄の羽を持つ鳥みたいなモンスターばかりさ。
矢部水城君ならある程度大丈夫かもしれないけど…
木原俊君は大丈夫かなぁ?
もう気は済んだかい?」
リュウ・ハドイルは山本さんに最後の一言を言うと、舌をちょこっと出した。