Sorcery Game



「そんなことを言われて、ほっておけれるわけがありませんよ。

そうですよね?

クックックッ…

少し楽しみになってきました…」
今まで後ろにいた戸部祐樹が前に出て、眼鏡を指で押し上げた。

完全にオタクな戸部君だが、この時ばかりは勇ましく見えた。

「祐樹の言う通りだ。

二人を見捨てることはできない。

行くしかねぇよ。」

紘佑が、リュウ・ハドイルを睨み付けている。

普段から冷静で、先に立って歩いてくれる俺達のリーダー紘佑。

その言葉で、俺達の意志は固まった。

「てめぇだけは、俺がこの手で…

早く俺達を送りやがれ!

糞チビが!!」

利輝は完全にキレてしまっている。

今戦うのは分が悪いと判断したのだろう。

俺は、残留組の顔を見ないようにした。

見れば、決意が鈍ってしまう気がしたからだ。

俺達は全員で手を繋ぎ、バラバラにならないようにした。

そして…


「さぁ行くよ!

せいぜい頑張って生き残ってね!」

リュウ・ハドイルの腕が再び上がり、円を描きだした。

「またな!

絶対また一緒にバスケするんだからな!

早く帰ってこいよ!雅也!!」

力哉の言葉が耳に入った刹那…

俺達は、見たこともない森に居た。

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