私の恋and事件簿♥
私はおにぎりを口の中に押し込み、ビニールをゴミ箱に捨てた。



「ごちそうさまでした」



山下さんに頭を下げると、「105円だし」と言いながら、煙草を灰皿で揉み消し、中に張られた水に、穴から落とした。

私は山下さんに笑い掛け、「素直じゃないんですね」と言う。



「女に素直になって、得はないからな」



でも――伏せられた瞳に、笑顔は消えた。

私は「山下さんの暗い顔は嫌いです!」と言って、詰所に入った。

「俺が明るい顔をいつした!」と、山下さんが叫んでたけど、シカト。

デスクに座り、頭を抱えた。
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