私の恋and事件簿♥
第3部 ⑤〜至福〜
「ヤダ!ヤダヤダ!」
「仕方ないんだっ!」
署に戻ったら、私は兄貴から夜勤を言い渡された。
沼田さんがお通夜が入ったとかで、私が夜勤。
…疲れてるのに無理だぁっ!
「北斗、帰るよ!」
「…………1万やる」
…何ですと――ッ!?
お年玉もくれなかったような兄貴が、1万円もくれるの??
いつかの5円チョコの間違えじゃなくて??
私は喉をゴクリと鳴らしながら、兄貴へと振り返った。
兄貴は「ほれほれー」と、1万円札をピラピラさせてる。
「…迷うのかよ」
北斗の呆れ顔に私はハッとした。