愛しているから、さようなら!【BL】
「ん、ちゃんと残ってる」
上機嫌で、鎖骨の下辺りを撫でまわす。
「よかったね?」
僕はといえば、
足元を見つめながら適当に返す。
顔に熱が集まってる事が
自分でもわかるので、鏡は見ない。
っていうか早く服直してネクタイ締めさせてくれ。
床の模様を睨みながら、思う。
すると彼に顎を持ち上げられた。
「ほら、ちゃんと見て」
俺の!と、楽しそうに笑う彼。
片手はもちろん、
僕の肌を露出させたままだ。
予想通り真っ赤な僕の顔と、
これも想像通りに笑う彼の姿が確認できた
……恥ずかしいからやめて欲しい。
そうこめて、鏡の中の彼を睨みつけた。
しかし、効果が無い。
どころか、
「……上目使いかわいーなー」
彼は鏡を見るのをやめ、
肩口へと顔をぐりぐり埋めている。
……本当に、変わってしまった目線の高さが憎たらしい。