愛しているから、さようなら!【BL】
「でさ、どうしたらいいと思う?」
この話題、あとどれ位引っ張るんだろう。
「だから、僕に聞かれても……」
「だってこのままじゃ、
俺先輩に従ってしまう……」
それは困るな。
主に相手が。
「じゃあさ……舌入れる前に
とりあえず相手の反応見たら?」
「どうやって?」
「え、……軽くジャブ程度に
何かして様子を窺うとか?」
その何かは知らないけれども。
「うかが、う……?
じゃあまあ、そんな感じで頑張る」
「頑張って。
っていうかさ、まず付き合い始めてから
その心配すればいいと思うんだけど」
ただのキスだって、そうだろう。
それとも、練習だって浮気になるとか
そういう心配でもしてるんだろうか。
……それならそもそも練習なんてしないか
「……告白できないし」
「しなよ!
告白さえ出来ないで何悩んでんだよ!」
「いや、まだ出来ないだけだって」
「何で?いつするの?」
「……あと5cm身長伸びたら、するよ」
「そう、なんだ」
その5cmは、170cmの壁で、
僕と彼の身長差でもある。
彼の身長が平均値位まで伸びたら、
彼は誰かに告白して、
僕に言う文句も無くなるのか。
……自分の身長も伸びる事を願いたいけど
残念な事に僕は169.5cmで
それから成長が止まってしまった。
まあ、大体平均だし、満足はしている。