愛しているから、さようなら!【BL】
「……今の、言うのに練習必要かな?」
「いらないかな?
思いついたから言ってみただけだし」
思いついたからって口に出さなくてもいいだろう?
そう思いながら、僕は一気に牛乳を飲み干そうとした。
「それに、親居ないのは本当だし」
その言葉に、僕はまたむせた。
「っちょ、大丈夫か?!」
彼は慌てて、僕からコップを取り上げ、
そして背中をさすってくれる。
……似たような事、前にもあったな。
でもあの時よりも彼の手は大きくて、
体温は少しだけ低いように思う。
もう子供体温では無いという事だろうか。
大人に近づいているという事で……
何を考えてるんだ。
「おい?大丈夫か?」
当たり前だけれど僕の考えてる事なんて
まったく理解していない彼は、
変わらず優しい手で背中を撫でる。
下を向いた僕に、少し不審げだ。
「……ん、もう大丈夫だから」
平常心を保てるように、
上辺だけでも務めて取り繕う。
「そっか」
ほっとした彼が息をつく。