愛しているから、さようなら!【BL】
「見えない所にするからさ、安心しろよ」
そう言って、再度彼の顔は僕の首に埋められた。
今度は僕の抵抗は無い。
つい了承してしまったからだ。
まあ、普段通りに着てれば
全然見えないから大丈夫だよなと、
そう彼は言いつつも、首筋ではなく、
Tシャツを引っ張り下ろして、
鎖骨よりも下に唇をくっつけた。
恐らく吸ったのだろう。
チクリと軽い痛みが走った。
「……ちょっと難しいな」
「じゃあもう諦めようよ」
何も今、すぐに出来るようにならないと
いけないという訳でも無いのだろうから。
僕の言葉に、彼は顔を上げて、
至近距離で目が合った。
その事に僕が動じるよりも前に、
彼は再び顔を伏せて
がりっ。
「……ぃたっ……!」
僕の鎖骨に噛み付いた。
「あ、歯形は簡単についたー……」
てへっと、顔を上げた彼は
痛みに顔を顰める僕に気が付き、笑った。
「……痛かった?」
「痛いよ!」
今も。