愛しているから、さようなら!【BL】
【7.男も女も関係ない?】
「ねえ、好きな人って拓真でしょ」
解っちゃった!と、彼女は言った。
彼女の事を拓真はあゆかと名前で呼ぶが、
僕は前から変わらず、岩倉さんと名字で呼んでいる。
そんな彼女が、突然言った。
「なん、で……そう思うの?」
「前より堂々と見てたらさ、
順也くんって、拓真の事しか
見てないんだもん。
あ、違うか」
目に入ってないんだ。
そう言われた。
「違う?」
真っ直ぐな瞳に、嘘は通用しない。
そんな事を思った。
「……違わない」
そんなに解りやすかっただろうか?
だったら、まさか。
そう思った僕は、彼女に尋ねた。
しかし帰ってきた言葉は。
「私が君の事、好きだからだよ」
だから、きっと誰も気づいてない。
大丈夫。と、彼女は言った。
「告白しないの?」
「……出来る訳無いよ」
そう答えると彼女は笑って、
お姉さんが相談に乗ってあげましょう。
そう言った。