愛しているから、さようなら!【BL】


「いや、しないからね、告白なんて」

「当たって砕けろ!
 やってみなきゃわかんないよ?」

「わかるよ。絶対砕ける。
 そもそも僕もあいつも、男だし」

そう言うと、彼女は少し怒った顔で

「好きも嫌いも、性別なんて関係無い。
 私はそう思う。
 何故ならどんなに万人に人気のある
 イケメン俳優にだって、
 私の心は決して奪えないから!」


……ちょっと意味が解りかねる。


「つまりはね、
 人の好みなんてそれぞれなんだよ。
 だから、わかんないよー?」

意外と望みはあるかも。
そう言って彼女は僕の背中を叩いた。


「……いくら同性だって、
 好きでも無い相手にキスはできないよ」

そう呟いてから、
お互いガンバロー!と、
彼女は僕の両手を取り
強制バンザイをさせられる。


彼女のようになれたなら、よかった。
だけどそれは無理だから。

きっと僕は告白できない。


それに必ず、誰かの想いは結ばれない。
解ってはいるけど、どうしてこうも
人の心は複雑に作られたんだろう。


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