愛しているから、さようなら！【BL】

「なあ」

「今度は何？」


「キス……してみない？」

「は？」


思わず、聞き返す。

当たり前だ。

だって、今、彼はなんと言った？



「考えてもみろよ！
　初チューでさ、失敗したら嫌じゃん！」

「だからって、そんな……
　自分の体をもっと大切にしなさい」

「別にそんなやらしい事する訳じゃないし
　キスぐらいよくね？！」

ぜんぜん、よくない。

そんな事をしてしまったら、
僕は変に期待をしてしまうかもしれない。
もしかしたら、と、希望を持ってしまう。

無理なのはわかっているから。
だから、そんな事を言うのはやめてくれ。




……だけど、好きな人のお願いを、
無碍にできる訳は無かった。