愛しているから、さようなら!【BL】
岩倉さんとの会話を思い出しつつ
靴箱へと向かうと、拓真が居た。
もう、帰ったと思ったのに。
「遅い。何してたん?」
「ごめん。ちょっと話してただけだよ」
別に先に帰っててもよかったのに。
そう言うと彼はうん。とだけ言って
「あゆかと話してた?」
そう聞いてきた。
「そうだよ」
「最近、仲良いよな」
「まあ、そうかもね」
彼女と僕の話になると、
途端に彼は不機嫌になる。
やっぱり、彼の思い人とは
彼女の事なのだろうか。
何度か考えた事が頭に浮かぶ。
それなら彼女が好きな僕を
一体、どんな思いで待っていた?
何を思って僕を見る?
想像してみる彼の隣の女の子。
その子に対する僕の感情。
もしも、それと同じだったなら。
僕はどうすればいいのだろう。