愛しているから、さようなら!【BL】
「はい、じゃ、目ぇつぶって?」
言われるままに、目を閉じる。
「……まっすぐは無理だよな。
こんぐらい斜めればいい?」
「見えないから解んないって」
「じゃあ目開けて」
言うとおりにすると、当たり前だけど
すぐ近くに、彼の顔があった。
「……見つめあうとむしろ喋れない」
素直になれないどころじゃない。
「喋ってるじゃん」
けらけらと、彼は笑った。
その笑顔も、やっぱり近い。近すぎる。
「……失敗したら、やだな」
真顔に戻って、彼が言った。
「その為の練習なんでしょ?」
ドキドキするから、
するなら早く、終わらせてほしい。
心臓が持たない。