愛しているから、さようなら!【BL】
【9.君がいなきゃ】
確かに昔から彼は、
思いこんだら一直線というか、
勝手に自分で納得して、突っ走る所があった。
でも、これは無いだろう。
まさか彼から告白されるとは思わなくて
うっかりと黙り込んでしまった僕にも非はある。
だからといって、
2人分の教科書が詰まっている
パンパンの鞄を持って彼を追いかけようだなんて。
……普段でさえ、
走る事で勝ったためしが無いのに。
彼は1度止まりでもしたのか、
校門を出た辺りでは何故か距離は短く、
しかし僕の姿を確認して、
一気にスピードを上げられたので
今では十数メートルの差が出来ている。
『待って!』と、叫びながら走るが、
残念な事にそれは上手く声にならない。