愛しているから、さようなら!【BL】
「うらっ!」
「ちょ、やめっ……!」
くすぐるのを一旦止め、
息が整いかけた頃合いを見計らって、
再びその手を伸ばしてくる。
そんな事を数回繰り返し、
すっかり疲れ果てた頃に
ようやく悪戯はおさまった。
走った後のようにぜーはーしていると
彼はゆっくりと背中をさすってくる。
「……俺にもさ、順也がいなきゃ駄目だ」
背中をさすっているまま、
突然、さっき僕が言ったのと同じ事を言う
「俺さ、1人は嫌いなんだ」
「今さら。そんなの知ってるよ」
だよな。と彼は頷き、
『一緒に居てくれるか?』と、尋ねてくる
もちろん。と僕は返す。
すると彼はにこにこと笑って、
「今日さ、夜、誰も居ないんだよ」
……いつかの約束を思い出した。
今日は彼の家に泊まらなければいけない。