黒猫は野良猫
「浬音」
「‥はい」
「何かあったら必ず玖音に言うんだぞ」
父さんの言葉に僕は頷いた。
父さんは優しく微笑むと「言うの忘れていたが全寮制だからな」と言った。
「「はい」」
僕らは父さんが手を挙げたのを見てから部屋を出た。
僕らの世話係の箔(ハク)さんが学校まで送ってくれた。
僕らはお礼と別れを言い、大きな学校の中に入った。
「理事長室に行くぞ」
「うん‥玖音、手繋ご?」
「あぁ」
玖音は少し微笑むと手を繋いでくれた。