はちみつキャンディ
歩いていると潤太に会った。

あたしは驚いた。

だって一人じゃなかったから。

さっきの美香と手を繋いでる。

なんだ、そうだったんだ。

好きな子って、美香だったんだ。

「あ・・・」

潤太はあたしに会って驚いたのか、いいふらされるのを恐れたのか、美香と繋いでいた手を離した。

「なんだ、好きな子って美香・・・さんだったんだ。教えてくれてもよかったのに」

あたしが気づかないうちに、口が勝手に喋りだした。

やだ、ちょっとやめて。

「さっきもあたし邪魔だったね。ごめんね」

やめてってば。

いいたかった“ごめん”なのに、なんか違う。

「え・・・、あの・・・」

「それじゃ、あたしもう行くから。仲良くしなよ」

潤太はなにかいいかけたけど、あたしはそれを遮っていった。

そしてあたしはそのまま通りすぎた。

後ろで美香の声がした。

「なにあれー?すっごくイヤミじゃない?」

「・・・」

「潤太ぁ?どうしたの?」

「や、別に・・・」

それ以上は聞こえなかった。

通りを曲がって裏道に入ったから。



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