はちみつキャンディ
「なんでそんなにイヤなの?」

あたしは理由を尋ねる。

すると友夏は、まるで恐ろしいものでも見るような目であたしを見た。

「あんた、わかんないの?」

あたしは頷く。

だってほんとにおいしいんだよ。

友夏は信じられないとでもいう風に首を振った。

「だって“納豆飴”だよ!?わかってんの?納豆の飴だよ!?」

あたしは持っている袋を見た。

そして友夏に視線を戻す。

「それが?」

「『それが?』じゃないでしょ!!明らかにまずそうじゃない!!」

そうかな。

たしかに『納豆飴』って響きは悪いけど、味はけっこうイケる。

もちろんネバネバとかもしてないし、においなんか全然しない。

でも味はしっかりしてるし、納豆そのものって感じ。

「そんなことないよ?意外とおいしいって」

「はぁ!?やっぱあんたおかしいわよ!」

「でも非常食になるよ。授業中とか、お腹すいたときに。けっこうバレないし」

笑いながら話すあたしに、友夏はぐるんと目をまわした。

「もうダメ。雅、味覚イッちゃってる」

友夏はガタンと椅子に座った。

「はぁ?失礼ねー」






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