はちみつキャンディ
潤太の家には家具家電なんでもそろっている。

本だって山のようにある。

あたしはあんまり好きじゃない。

なにがってこの家が。

一人で暮らすなんて寂しいし。

潤太はきっと、孤独を感じてたじゃないかな。

勝手な憶測だけどね。

独りの夜なんて怖かったはず。

あたしは潤太を守ってあげたくなった。

リビングに入ってソファに座った。

「ふー。潤太、寒かったでしょ?」

「大丈夫だよっ」

潤太はキッチンにいこうとした。

多分お茶かなんかいれるために。

あたしはそれをとめた。

「あたしがやるから座ってて」

キッチンにいくと、冷蔵庫から牛乳をだして

電子レンジで温めて、砂糖をいれる。

あたしはホットミルクをつくった。

簡単だけど、おいしいし。

コトンッ

テーブルの上にマグカップをおいた。

「はい、どうぞ」

潤太はごくっと飲んだ。

あたしかなりの甘党だから砂糖いれすぎたかも。

「ごめんね、甘いでしょ?」

「ううん、おいしいよ」

潤太はにっこり笑う。

可愛くて、愛しくて、守りたい。

みたいな感じ。


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