【長】さくらんぼ
<亮の心>
授業が始まって数分が過ぎた頃
俺の携帯のバイブが鳴った
………憂からだ
『もしかして香菜も昨日一緒だった?』
俺の問いかけの答えはなくて、香菜についての言葉だけがならんでた
香菜と…何かあったのか?
それとも、香菜に知られたくねぇってこと…?
……一人で考えても無意味だと思って、メールの返事をした
『香菜も一緒だった。
さっきの答えは言えねぇの?』
胸がざわつく
もやもやの霧だけが大きくなるようだった