【長】さくらんぼ
家の前につき、一回大きく深呼吸をした
不思議と気持ちが軽くなってて、ドアも簡単に開けられた
香菜「ただいま〜」
あたしの声に反応して出て来たのは憂だった
憂「…おかえり」
香菜「憂ただいま♪」
あたしは今まで通りの返事をした
憂「………麻衣とのこと聞いたんだよな?
隠してて悪かった…」
[麻衣]
またズキッと胸が痛くなったけど、さっきまでほどじゃない
なんでだろう…
龍くんに話しただけで全然気持ちが違う気さえする
香菜「うん聞いた…言ってくれればよかったのに〜」
今度は作った笑顔なんかじゃなくて、そのまま笑えた
憂「え…あ……ごめん」
本当に申し訳なさそうな憂の顔は、少しさみしく見えた…
香菜「もういいってば♪」
これ以上そんな憂の顔を見たくなくて、あたしはなるべく元気に話した
憂「…やっぱ……気になんねぇよな……」
本当に小さな小さな声だったけど、憂のつぶやきはあたしの耳に届いた