【長】さくらんぼ



次の日の朝


香菜「おはよ〜」


あたしはいつものように朝ご飯を食べようとしていた


憂「…おはよ」


母「香菜!!早く食べなさいよ〜
……でもさみしくなるわね〜」


香菜「へ?何が?」


母「何が?じゃないわよ!!憂くんがこの家にいるのは今日が最後じゃないっ」


香菜「……え?」


あたしはバッと憂の方を見た



けど憂は目を合わせようともしない…




ピンポーン




母「あら?誰かしら?」


お母さんは玄関の方へ歩いて行った

そして隣のおばさんとの話し声がかすかに聞こえた




香菜「………憂?何で言ってくれなかったの?」


憂「………別に」


いくらあたしでも憂の態度に腹が立った


香菜「意味わかんない!!隠してる意味ないじゃんっ」


憂「隠してたわけじゃねぇよ!!」


いつもは温厚な憂も声を荒らげる


香菜「じゃあ何なのよ!!」


憂「………気にしなくていいから」


そう言うと憂は学校へ行ってしまった




………何?

わけがわからない




最後の憂の悲しそうな表情だけが頭から離れなくなってた…









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