【長】さくらんぼ
あたしはその手につかまって、やっと立ち上がった


憂「大丈夫か〜?」


香菜「うん…ちょっとはマシになったかも」


口では冷静に答えたけど、心臓はバクバクいってる…



どうしよう…

何て言えばいいんだろう…………

夢中でここまできたあたしは、何も考えてなかった




そんなとき…

後ろから服の裾をひっぱられた気がした





振り返るとそこには小さな男の子と女の子


香菜「えっと…どうかした?」


あたしはとりあえず話しかけてみた


男の子「真奈が学校に教科書忘れたんだって」


へ?教科書?

何を言ってるのかさっぱりわからなかった


あたしは憂と顔を見合わせて考えた




香菜「…小学校に忘れ物したの?」


男の子「そう!!一緒に行ってよ…今学校お化け出るんだっ」


憂「…お化け?……教科書は明日じゃダメなの?」


男の子「宿題あるんだよ!!……兄ちゃん…怖いのか?」


あたしは思わず笑ってしまった



そうだよね…

もう日も暮れてるし、二人じゃ心細いよね…









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