【長】さくらんぼ
香菜「あたしね……小中一緒の幼なじみっていうのかな?
仲良しだった男の子がいるんだあー
初めて出会ったのは小学校入学前なんだけど、今思えば一目惚れだったと思うの
そのときからその子しか見えなかった…
小学校のときは仲良くて、ほとんど毎日一緒にいたの
でもある日、その子が引越しちゃって…
転校はしてないけど、家が遠くなって…
それから段々話すことが少なくなった」
ゆっくりしか話せないあたしに、七海と美咲は真剣に聞いてくれてる
香菜「中学生になった頃には、もう関わることもなくなっちゃってたの
寂しかったけど、その間にも好きって気持ちは大きくなっちゃって…
実は両思いだとかいう噂もあったんだけど、結局何もなくて……
気がついたらあたしは、その子の恋の相談受けてた」
七海「え?その香菜が好きだった子の恋愛相談?」
香菜「うん…そうなの……
好きな子があたしの仲良い子だったからね〜
で、告白しないまま卒業しちゃったあ…
約10年片思いしてたってわけ。重いでしょ?」
力のない笑顔をあたしは二人に向けた